[ 奈良県立医科大学関連 ]

パジャマdeおめかし企画第2弾

奈良県立医科大学附属病院では、2019年よりパジャマdeおめかし企画を実施しています。入院中であってもおしゃれすることで、生き生きと過ごしていただくことで、ストレスが軽減し、回復促進や患者満足度の向上につながるのではと考えています。第1弾では、奈良医大附属病院に入院中の患者さん、通院されるがんの患者さんなどに、パジャマやメイクなどでスタイリングし、撮影し、写真展を開催いたしました。

パジャマdeおめかし企画第2弾として、2020年度は病院全体として質を高めるTQM(Total Quality Management)活動として、病院内でのパジャマスタイルについてのアンケート調査を実施しました。
アンケート期間は2020年9月28日から10月9日で、奈良県立医科大学附属病院の一般病棟に勤務する看護師463名、一般病棟に入院中の患者さん 343名から回答いただきました。アンケート調査については、奈良県立医科大学の医の倫理委員会の承認を受けております。アンケートは主に5段階評価で、満足(5)、やや満足(4)を満足、やや不満足(2)、不満足(1)を不満足として集計しています。

1) 入院中のパジャマスタイルに満足していますか?
看護師:満足 24%、不満足 49%
患者さん:満足 52% 不満足 13%
2) 入院中におしゃれなパジャマを着るのはよいと思いますか?
看護師:思う 83%、 思わない 4%
3) 入院中におしゃれなパジャマを着ると合併症が減ると思いますか?
看護師:思う 61%、 思わない 7%
4) 入院中のレンタル病衣は満足できるものでしたか?
看護師:満足 12%、 不満足 68%
不満足な点:寝やすさ 51%、素材 44%、色 40%、デザイン 39%
5) 入院にパジャマ以外で必要なものは?
看護師:羽織るもの 51%、医療機器のカバー 29%、靴 25%、
下着 11%、帽子 9%
患者さん:羽織るもの 39%、履12%、下着 9%、靴下 8%、帽子 4%
(2021年奈良県立医科大学附属病院TQM大会での発表データより)

上記の結果より、病院内でのパジャマスタイルはもっと改善する必要があることが明らかになりました。現在は、MBTコンソーシアム連携の下、ワコール株式会社とBonrichとのパジャマdeおめかしの共同研究を開始しています。ワコール社からは、睡眠時の心地よさを重視した“睡眠科学”のパジャマの提供をうけています。Bonrichからは、帽子やスカーフとしても使用できるターバンやおしゃれなドレーンカバーを作成いただいています。

新型コロナ感染症で、面会制限などがあり、ご家族と面会できなかったり、お見舞いなどができない状況です。おしゃれなパジャマのギフトなどで心がウキウキという状況になればと考え、プロジェクトの楽曲”パジャマdeおめかし“を制作しました。イラストは、YASUHIRO WORLDさんに作成いただきました。病院環境やコロナ禍での自宅待機時の癒やしの一助になればと思います。

講師紹介

奈良県立医科大学 麻酔科学教室 教授川口 昌彦
病院快適環境プロジェクト リーダー