[ 大人の健康情報 ]

緩和ケアはどこで受けられるの?

 

こんにちは、緩和ケア医のDr. Toshです。緩和ケアの本流へようこそ。

今日のテーマは「緩和ケアチームはどこで受けられるのか」です。

今回も患者さんからご質問を頂いたのでご紹介いたします。

Dr. Toshのチャンネルをみました。私も緩和ケアを受けたいと思ったのですが、私は緩和ケアをうけようと思ったら誰に相談すればよいのですか?主治医の先生ですか?主治医の先生は忙しそうであまり余計なことを言ったらダメなような気がします。教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます。それではこのご質問にお返事していきたいと思います。

まずは勇気を出して主治医に聞いて見てください。

主治医は、あなたの治療に責任を持っている人です。

主治医は、あなたの病気の状態、治療法、今後の治療の見通し、仕事や生活などへの影響など、患者さんが疑問・不安に思っていることをしっかり把握して患者さんに伝える義務があります。

それゆえ、多くの主治医は、あなたの話に耳を傾けたいとおもっていると思います。

もし、緩和ケアをあなたが受けたいと思っていたら、多くの医師は喜んで紹介してくれます。

しかし、主治医からまだ早い、と言われたらどうでしょうか。

がん治療医の先生は緩和ケア研修会を受け、基本的な緩和ケアはできる医師が多くなっています。そのような医師は、緩和ケアは専門的なケアとしっかりと理解していますので、今のあなたを見て、緩和ケアは自分でできると考えているかもしれないです。

その時も主治医の先生と率直に話してほしいと思います。何故緩和ケアを受けたいかをおっしゃってください。たいていの場合、ポジティブな解決策が得られるでしょう。

例えば、気持ちが落ち込みやすくなっていて夜も寝られない、気持ちのつらさを緩和ケアで相談したい、などのこころのつらさがあるなら、主治医の先生にぜひ相談してみてください。

痛みなどの身体的なつらさは治療医の先生自身で対処できる場合が多いですが、気持ちのつらさに関しては、先生からはなかなか気付きにくく、対処もわからない方が多いからです。

ただし、がん治療医の先生の中にも、緩和ケアは治療が終わってからと思っている方は、今は少なくなっていますが、病状が悪化してから、と思っている先生はまだ多いと思われます。

その場合も主治医と率直に話して、緩和ケアを受診したい気持ちを話してみてください。

では、緩和ケアと言われてどうもピンとこないような医師の場合はどうでしょうか。

最近は緩和ケアを知らないがん治療医の先生は非常に少なくなっているので、これは非常に珍しい例だとは思いますが、このような場合、その先生は緩和ケアのことを知らないのでしょうね。

その場合は、あなたの主治医に言っても難しいと思われますので、あなたの病院のがん相談室、がん相談支援センター、地域連携室に相談してみてください。

少なくなってはきていますが、緩和ケアチームが無い治療病院もあるにはあります。そのような場合は、国立がん研究センターがん情報サービスのホームページを見ていただき、あなたの地域の情報を検索してみてください。

がん診療連携拠点病院などを探す:[国立がん研究センター がん情報サービス]

ここにそのリンクを貼っておきますので参考にしてみてください。

それでも、なかなか主治医に聞けない、と言われる方もいらっしゃると思います。

それはそれで全然構わないと思います。大丈夫ですよ、安心してください。

もしあなたが、すでに入院しており、抗がん剤治療をしている時は、担当の看護師さんに相談するのも手です。看護師だけでなく、あなたを担当してくださっている医療者で相談できる方がいるのなら、その方に緩和ケアを受けることができるかを相談してみてください。

あなたの地域には必ず緩和ケアにつながるアクセスがありますので、決してあきらめないで様々な手段をお試しください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

私は、緩和ケアをすべての人に知って欲しいと思っています。
このnoteでは緩和ケアを皆様の身近なものにして、より良い人生を生きて欲しいと思い、患者さん、ご家族、医療者向けに発信をしています。

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また次回お会いしましょう。

講師紹介

奈良県立医科大学 緩和ケアセンター 病院教授/緩和ケアセンター長四宮 敏章
医学博士
日本内科学会認定医
日本心身医学会認定専門医
日本心療内科学会登録医
日本緩和医療学会暫定指導医